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建物というのは、すべての建物が登記をできるわけではありません。
登記をするためには、要件があります。

今回は、建物として登記するための要件について話します。



不動産登記規則に、
「建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。」と規定されています。



建物として登記できる認定の基準となる3つの要件があります。


まずは、外気分断性
つぎに、定着性
そして、用途性

それに加えて、近年では取引性も必要と言われています。

それでは一つづつ、解説します。

1つ目は、外気分断性です。
外気分断性は建物の壁が2方向、3方向以上に囲まれている場合で、建物の用途を勘案して判断します。
ガソリンスタンドの給油設備の部分に屋根だけで壁がなく開放されています。
この場合は、外気分断性がなく建物として登記はできません。

ゴルフの打ちっぱなしの練習場は、ゴルフボールを打ち放つために前面は壁がなく開放されていますが、用途を勘案して建物として登記ができるということになります。
また立体駐車場も、排気ガスを排出するために壁が開放されていますが、これもその用途を勘案して、建物として登記できるということになります。
ただし簡易な組立式、装置式な立体駐車場は建物として登記することはできません。

2つ目は、定着性です。
民法86条1項によると、建物は土地の定着物です。
物理的に土地に固着していることが必要であり、かつ、永続的に土地に定着して使用されている必要があります。

組立式の物置は、ブロックなどの上に置いてあるだけのものは建物とは言えません。
ただし、組立式の物置でも基礎工事を施工して土地に定着していれば登記の対象になります。
ただし物置単独での取引性がないので、附属建物としてのみ登記ができるということになります。

居室、店舗、レストランなどで鉄道の車両を利用しているのが見られます。
この場合も、基礎等が施されているかで登記ができるかを判断します。

また船を建物として登記できるかですが、これも定着性で判断します。
もちろん海にプカプカ浮いている船は建物として登記できません。
ただし、土地に定着している船は登記することができます。
東京ディズニーシーのSSコロンビア号も登記できる可能性ありということになります。

また、住宅展示場のモデルハウスであったり、建築現場の作業員の宿泊所、現場事務所などは、
その利用目的がなくなれば取り壊す予定の建物ですから永続性がなく、登記はできません。


3つ目は、用途性です。
建物は、一定の用途のために人工的に造られたものですから、その用途に見合った一定規模の生活空間が確保されている必要があるとされています。
これを難しい言い方になりますが、人貨滞留性といいます。

ちょっと分かりづらいので、具体的な例を挙げて説明します。

屋根周壁のある歩道橋、ビルとビルの間にある連絡通路は、単に人が通行するだけのものなので用途性がなく建物として登記できません。
単なる門であれば登記できませんが、お寺や旧家の門でが、立派な建物の作りになっています。
宝物庫(ほうもつこ)倉庫などとして利用されていて用途性がある場合は、建物として登記することができます。

この用途性で問題になるのは、建築途中の建物が登記できるのかという問題です。
工事が完成状態でなくても登記は可能であるとされています。
基準としては、
建物がその目的とする用途に供し得る状態にまで工事が進んでいる状態であれば登記することができるとされています。

その利用目的が、物置、倉庫、工場であれば床、天井がなくても登記は可能です。
しかし居宅であれば、少なくても人が住んで生活できる状態まで工事が進んでいないと登記できないということになります。


建物登記の3つの要件。

外気分断性、定着性、用途性についてお話しました。

プラスアルファで、建物の要件として取引性も必要になります。
その建物が社会通念上から見て、単独で取引の対象となるかというように考えます。

例えば、150㎡の母屋があって、同じ敷地に2㎡の物置がある場合に、
その物置は、単独では登記できないけど、母屋の附属建物であれば登記ができるということになります。

2㎡の物置は単独では取引の対象にならないが、母屋の構成部分であり、母屋とセットであれば取引の対象になるということになります。

これが30㎡の物置であれば、単独で取引の対象となるので、30㎡の物置単独で登記できます。

取引性があるかどうかというのは、社会通念上から見てということになるので、何㎡から単独で登記できるとは言えません。
その都度、判断するということになります。


以上、建物の要件についてお話しました。

建物として登記が可能な建物については、できるだけ登記をすることをおすすめ致します。

銀行で土地を担保に、融資を受ける場合には、その土地上の登記が可能な建物はすべて登記するということになります。
これは仮に、融資を受けた債務者が返済できなくなったときに、競売をするわけですが、そのときに対象の土地に未登記の建物があると問題があるわけです。

登記をすることで権利が明確になります。

融資を受けるとき、売買をするとき、相続をするときにもスムーズに手続きを進めることができます。

最後に振り返ります。

建物として登記できる要件は3つです。

1つ目は、外気分断性です。
建物の壁が2方向または3方向以上に囲まれている場合で、建物の用途を勘案して判断します。


2つ目は、定着性です。
民法86条1項によると、建物は土地の定着物です。
物理的に土地に固着していることが必要であり、かつ、永続的に土地に定着して使用されている必要があります。


3つ目は、用途性です。
建物は、一定の用途のために人工的に造られたものですから、その用途に見合った一定規模の生活空間が確保されている必要があるとされています。

プラスアルファで、建物の要件として取引性も必要になります。
その建物が社会通念上から見て、単独で取引の対象となるかというように考えます。


以上、建物登記の要件についてお話をしました。

建物登記でお困りのことがありましたら、そうだ土地家屋調査士に相談しようということで終わらせていただきます。


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2020.05.06 Wed l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top

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