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建物の登記される事項で「種類」があるんですけど、
建物の種類で相談を受けるそのほとんどが、
中古で建物を売買をするのに、購入者が住宅ローンを使う。

そのために建物の種類を「居宅」に変更したいというものです。

今回は、建物の種類のうち「居宅」についてお話をします。



まず、住宅ローンについてです。
例えば、店舗併用住宅の場合は、住宅部分の面積の割合が半分以上であれば、住宅部分については住宅ローンを使えます。
店舗部分については、事業用ローンであったり、住宅ローンに組み込んだりと、対応は金融機関によって違うようです。

お金を融資する側からすると、建物全部を住宅として利用するのであれば建物の種類を「居宅」として登記をしてください。
店舗併用住宅であれば、利用する状況にあわせて、「店舗・居宅」と登記してくださいという話になります。

それでは「居宅」の登記のお話をします。

3世帯が住む住宅の場合です。
親、子、孫がそれぞれ1階、2階、3階に住む場合で、玄関、廊下などはそれぞれ独立している場合です。
「共同住宅」で登記することもできるし、「居宅」で登記することもできるということになります。
親、子、孫がそれぞれが同一生計とみなすこともできるからです。
親、子の2世帯の場合も同じです。
仮に一部を他人に貸した場合には、同一生計とは言えないので、「共同住宅」となります。


「居宅・共同住宅」という種類は可能か?
賃貸住宅の一部に所有者の住居にして、その他の部分を賃貸住宅として運用する場合には「居宅・共同住宅」という種類で登記します。
これについては、根拠の文献は見つけられませんでしたが、実務経験上は「居宅・共同住宅」は可能であるということになります。
共同住宅は居宅の集合したものと考えればおかしな感じはしますけど、「居宅・共同住宅」として登記できるということです。


ビルトインガレージがある場合の種類は?
「居宅・車庫」にしなければ行けないかということです。
車庫部分が建物全体の床面積と比較して少ない。
また車庫部分は、居住の用で使っている場合は、全体を「居宅」とするということになります。
駐車場を貸していたり、タクシーなどの事業に使用ていると「居宅・車庫」の扱いになります。

別荘の種類です。
別荘は、居住に使うものは「居宅」として登記をします。
会社などの厚生施設は「保養所」として登記します。


住宅用家屋証明についても解説をしておきます。
個人が要件を満たした自分で住む住宅用の家屋を新築又は取得した場合に適用されます。
所有権の保存登記や抵当権設定登記などの登録免許税の税率の軽減措置が受けられます。
この軽減措置を受けるために住宅用家屋証明が必要になります。
個人が、新築した家屋の場合は新築後1年以内、
建築後使用されたことのない家屋(建売住宅・分譲マンション)又は建築後使用されたことのある家屋(中古住宅)の場合は取得後1年以内に登記を受けるものであること。

要件は次のとおりです。
新築又は取得した者が自己の居住の用に供する家屋であること。
住民票の住所を移すことが必要です。
家屋の床面積が50平方メートル以上であること。
事務所、店舗等の併用住宅の場合は、床面積の90パーセントを超える部分が居宅であること。
家屋の建築後の年数が、木造及び軽量鉄骨造では建築後20年以内、
鉄筋コンクリート、鉄骨、鉄骨鉄筋コンクリート造等では建築後25年以内であること。
又、中古住宅の取得原因が売買又は競落であること。



私が行った建物の種類変更の事例を紹介します。
土地と中古建物の売買です。
建物は「診療所・居宅」として登記をされていて、
1階が歯科医院で、すでに廃業しているが、治療用の椅子、機材が残っている状況でした。
2階、3階は歯科医院のオーナーが居宅として利用していた状況でした。

このような場合は、売買代金の決済後に買主さんがリフォームをして実際に1階、2階、3階を居宅として利用してから、
「診療所・居宅」→「居宅」に変更するのが望ましいと思います。
実際にその流れで種類変更の登記をすることもあります。

このときは、売買代金の決済前に売り主の申請で、「診療所・居宅」→「居宅」に変更するという依頼でした。
現地の状況を見れば、歯科医院は廃業していることは分かるのですが、
ただ、歯科医院の看板はそのまま設置されいる状態で、治療機材なども、そのまま残っている状態でした。
売り主である依頼者に対しては、
「客観的に見て、住居として使用できる状態でないと居宅への種類変更はできません。」
「歯科医院の看板を外して、歯科医院の機材などはすべて撤去してください。それを確認してから申請します。」
ということで、状況を確認して、
上申書(歯科医院は廃業して、居宅として使用する旨の書面)を提出して種類変更の申請をしました。


以上、建物の種類「居宅」について説明をしました。

建物の種類の変更登記などが必要でしたら、土地家屋調査士にご相談ください。
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2020.04.02 Thu l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top
今回は、建物を取壊した場合の登記、建物滅失登記についての話です。

今回の動画をご覧いただければ、建物滅失登記の内容(申請義務と罰則、申請の時期、抵当権があっても滅失登記できるのか、申請書に添付する書面、申請できる人)
がわかりますので、ぜひ最後までお付き合いください。


では、建物滅失登記についての5つのポイントです。

1つ目は、申請義務と法的な罰則
建物を取り壊した場合には、その登記名義人は1ヶ月以内に滅失登記を申請しなければいけません。
違反した場合は、10万円以下の過料という罰則規定もあります。


2つ目は、申請できる時期
解体の工事が始まって、壁とか屋根がなくなって、建物として機能しない状態で、
所有者に改修の意思がなければ建物滅失登記ができるということになります。

必ずしも、解体工事が完了して、現地が更地にならなければ申請できるというものではなくて、
解体工事中でも滅失登記は申請できます。


3つ目は、抵当権があっても滅失登記ができるか
滅失登記は、建物が滅失した事実を報告する登記です。
抵当権があったとしても、建物が滅失しているのであれば問題なく滅失登記をすることが出来ます。

その場合に滅失登記に、抵当権者の承諾書は添付する必要は必ずしもありません。
たまに抵当権者の承諾書が用意されていることがありますので、こちらとしてはあれば抵当権者の承諾書を添付するという程度です。

銀行さんによっては、抵当権の抹消登記が完了してから、滅失登記を申請する場合があります。
抵当権が付いたまま滅失登記をするのではなく、抵当権を抹消したという履歴を登記記録に残しておきたい意図があるのかと思います。



4つ目、添付書類です。
代理人から申請をする場合は、委任状を添付します。
また相続人から申請をする場合は、戸籍などの相続証明書が必要です。
この場合の相続証明書は被相続人が死亡したことと相続人の一人であることが証明できれば足ります。
登記記録の住所から変更している場合は、住民票など変更の証明書が必要です。

その他、建物の解体業者の実印を押印した建物滅失証明書と解体業者の印鑑証明書が必要です。

また、火災で消失した場合には、消防署の発行する罹災証明書というのが必要になります。

申請人の印鑑証明書は、申請を担保するために添付するのがベストですが、法律上の決まりはないので、印鑑証明書は必ずしも添付する必要はありません。



5つ目、滅失登記を申請または申し出ができる人です。
申請できるのは、建物の登記名義人、名義人が死亡している場合は、相続人から申請できます。
共有の場合は共有者の一人から、相続人の場合は相続人の内の一人から申請することが出来ます。

登記名義人から建物を買い受けている場合は、登記名義人の売渡証明書と印鑑証明書を添付すれば、
所有権移転登記が未了でも、買受人から申請できるとされています。

また建物敷地の土地所有者から申請できるかですが、土地所有者から滅失の申請は出来ませんが、
滅失登記の申し出をすることで、登記官の職権で滅失登記をすることをお願いすることは出来ます。
この場合は、通常の不動産登記法の申請行為とは違いますので、申請の期間は長くなります。


1つ目は、申請義務と法的な罰則
申請しないと10万円以下の過料です。

2つ目は、解体工事中でも申請できます。

3つ目は、抵当権があっても滅失登記ができます

4つ目、添付書類
委任状
住所が変更している場合は住民票など
相続している場合は戸籍謄本など
解体業者さんの証明書
です。

5つ目、滅失登記を申請また申し出ができる人です。
登記の名義人と相続人です。
例外的に建物を買い受けた人、土地所有者などです。



建物滅失登記をしないで放置していると、
銀行の融資を受けるときに指摘されたり、
土地を売却するときに滅失登記が必要になったり、
固定資産税が取り壊した建物に課税され続けるということが起こります。

建物を取り壊したけど、そのままになっているという場合は、土地家屋調査士にご相談ください。



2020.03.29 Sun l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top
建物を新築したときの登記手続きは、建物表題登記と所有権保存の登記というのがあります。

銀行の融資を受けずに建物を建築されたお客様には、建物の表題登記、所有権の保存登記をするかしないかということを選択することになります。

ちなみに融資を受けて抵当権を設定する場合には必ず表題登記、保存登記はすることになります。

今回は、その建物の表題登記と所有権の保存登記は、どのような登記なのか?
それぞれ登記する必要があるのか?
登記した場合のメリット、デメリットについてお話しします。

興味のある方は、最後までご覧ください。



まず登記記録の構成から話します。
構成は、3部構成です。

表題部、甲区、乙区です。

必ず、表題部→甲区→乙区の順番で開設されます。

表題部がないのに、先に甲区または乙区が開設されることは原則ありません。

表題部というのは、表紙のようなもので、不動産の表示に関することが登記されます。
新築された建物の所在、種類、構造、床面積、所有者の住所、氏名が記載されます。

建物の表題登記をするとこの表題部が開設されます。

次に、甲区は、所有権に関することが記載されます。
所有権保存登記をすると、この甲区に所有者の住所と氏名、受付年月日、受付番号、登記の目的として「所有権保存」と記載されます。

保存登記が完了すると登記識別情報といって、12桁の英数字を組み合わせたパスワードが交付されます。
昔で言う登記済権利証書がこれにあたります。

そして、乙区には抵当権などの所有権以外の権利に関する事項が登記されます。

繰り返しますが、
表題部は、表紙のようなものでその不動産を特定するための表示に関する事項建物の現況が記載されます。

甲区には、所有権に関することが記載されます。

乙区には、抵当権などの所有権以外の権利に関することが記載されます。

登記記録が作られる順番は必ず、表題部→甲区→乙区の順番です。

なので、銀行で借り入れをする場合は、乙区の抵当権設定登記をするので、
必ず表題部をつくる建物表題登記と甲区をつくる所有権保存登記をすることになります。




建物の表題登記は、始めて登記記録がされる登記でこの登記をすると、表題部の登記記録が開設されます。
表題部には、建物の所在、種類、構造、床面積、新築の年月日、所有者の
住所氏名が登記されます。
この建物の表題登記の手続きでは、登記識別情報は、交付されません。
法的に申請義務は、一応あります。
建物の新築後、1ヶ月以内に申請をしないと10万円以下の過料に処される罰則があります。
申請書に添付する書面は、
個人の場合は住民票、建築確認済証、工事した人の証明書・印鑑証明書、検査済証、工事請負契約書などが上げられます。
建物の表題登記は、土地家屋調査士が代理して行う業務です。


所有権の保存登記は、建物の表題登記がされたあとに、登記記録の甲区に記録がされます。
所有権者の住所、氏名、受付年月日、受付番号、登記の目的として「所有権保存」と記載されます。
保存登記をすると、登記識別情報が交付されます。
保存登記には、法的に申請義務はありません。
申請書に添付する書面は、
個人の場合は住民票、
住宅の場合は住宅用家屋証明書この書面は市区町村の役所で取得できます。

所有権の保存登記は、土地家屋調査士ではなく、司法書士が代理して行う業務です。

所有権保存登記の添付書面が簡易で、実印の押印、印鑑証明書の添付が不要であるために、所有者本人以外が申請して登記識別情報を取得するリスクを指摘する人もいます。



建物表題登記と所有権の保存登記は、同時には出来ません。
表題登記が終わったら、保存登記という流れになります。

借地の場合は、建物の登記をすることによって第三者の対抗要件があるとされています。
地主AさんがBさんに所有権を譲渡した場合は、登記がないと借地権をBさんに対抗できません。
この対抗要件は、建物表題登記で足りるとされていて、所有権保存登記までは必要ないとされています。

固定資産税は、登記をすると課税する市区町村の担当課に通知をするので必ず課税されます。
登記をしない場合でも、課税の担当課は独自で調査するので原則は課税されます。
ただし、まれに課税が漏れることもあるようです。

銀行の融資を受けない場合には、建物の表題登記、所有権の保存登記は、やることもあるし、やらないケースもあります。

今日の話を参考に、登記をするか、それともしないのか、ご判断いただければと思います。


2020.02.13 Thu l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top
今回は、建物の表題登記の調査をしたときに確認申請をしている床面積と登記申請をする床面積が違う場合にどのように考えるかという話です。

あとあと、問題になることがありますので、しっかりと対応する必要があります。

確認申請と登記申請で床面積が違うパターンは大きく分けて2つあります。



1つ目は、求積方法の相違です。

建物は確認申請の設計図のとおりに施工されているが、確認申請と登記の申請で床面積の計算が違う場合です。

よくあるのが、ビルトインガレージで、登記の床面積に参入するのは壁が3方向以上にある場合ですが、壁が2方向にしかなかったり、壁に空洞の部分が多くて、外気分断性に欠けているという場合です。
このような場合、登記の申請ではビルトインガレージの部分は、床面積に参入しません。
ところが、確認申請では、床面積に参入していることがあります。

このような場合に、登記の申請の床面積と確認申請のが違うということになります。

特に問題になることは少ないと思いますが、関係者には床面積が相違することをお知らせしておいたほうが良いと思います。

以前は、確認申請の床面積より減ってしまうと融資の担保評価が減ってしまって、銀行の融資の額に影響があると言われたこともありましたが、今では登記の面積が減っても、融資額に影響はないようです。

また床面積が増える場合には、容積率オーバーにならないか。
そのほかの法令に適応できるか確認すると良いと思います。


2つ目は、確認申請の設計と実際の建物施工を変更している。
いわゆる設計変更の場合です。

よくあるパターンとしては、屋根裏部屋やロフトで確認申請の設計図では1.40mと記載をされている。
にもかかわらず、現地では1.5m以上あるということがあります。

不動産登記では、天井までの高さ1.5メートル以上の場合は、階数と床面積に参入します。


このような場合に、現地の建物の通りに、杓子定規に3階建として登記して良いかということです。

3階建とすることで、確認申請上も構造計算が必要であったり、場合によっては容積率オーバーになる可能性もありますし、銀行の融資にも影響がある可能性があります。
銀行の融資というのは、原則は違法な建築物については融資をしないということになります。

事前に建築工事人など関係者に連絡して、そのまま3階建として登記をするか、それとも設計図のとおりに直すかということを確認します。

今は、表題登記の申請に建物の内部の写真を添付します。屋根裏部屋や吹き抜けなどの特殊な部分の写真は必須です。
また、疑わしい部分があるときは、必ず法務局は現地の調査をします。

2階建として登記するには、確実に現地の建物を設計図のとおりに2階建に直す必要があります。

天井を作るか、床を上げるか、入口を完全にふさいでデッドスペースにするか、いずれにしても建物に手を加える必要があります。

以前、このような相談を受けたことがあります。
建築確認申請では、「地下1階付3階建」なのに、土地家屋調査士に「4階建」で登記されてしまった。
「地下1階付3階建」と「4階建」とでは、法令上の制限が変わってきますので、その土地家屋調査士さん大変だったのではないかなと思います。
登記をやり直したのか、融資に支障があったのかそのあとの展開は分かりません。

このように建築確認申請は、他の法令に遵守するように設計されています。

床面積、階数に変更がある場合、登記の申請では問題なくても他の法令で問題になることがあります。

関係者の方々に、打診をしておく必要があると思います。






2020.01.23 Thu l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top

今回は、12月の新築年月日と1月の新築で登記すると何が変わるのかという話です。

12月と1月で、どちらが得なのかというとケースバイケースだし難しい問題だと思います。

ただし、考え方だけ理解しておいたほうが良いと思います。

前提として、建物の新築は現実に建物新築工事が完了した日であって、12月得だとか1月が得だからとかの理由で新築の日にちを操作できるものでは有りません。

特に、ほとんどの場合は、建築基準法の完了検査を受けますけど、建物の新築年月日は、検査の日より前になります。
建物の完了検査に合格すると検査済証というのが交付されて、検査の年月日が記載されます。
これは公文書です。

建築工事が完了したから完了検査を受けているので、新築年月日が検査の日以降になることはありません。
まして、検査済証という公文書に検査の日が記載されているので、検査の日以降が、新築年月日になることは整合性がとれないということになります。

その上で、新築年の考え方を3つお話しします。



1つ目は、築年数です。
将来、賃貸するにしても、売却するにしても1年でも新しいほうが良いと言う考えもあります。


2つ目は、建物の固定資産税です。
建物の固定資産税は、その年の1月1日に存在する建物について、1年間課税されます。
なので、仮に1月2日新築であればその年の建物の固定資産税は課税されないということになります。
これだけだと、1月2日以降の新築のほうが有効だと思いますが、そうとは言い切れません。

3つ目は、軽減措置です。
1月1日の時点で、住居用の建物がその土地上にある場合には、固定資産税、都市計画税の軽減措置を受けられます。

軽減措置は、住宅用地200㎡までの部分は、固定資産税が1/6、都市計画税が1/3となります。
住宅用地200㎡を越える部分は、固定資産税が1/3、都市計画税が2/3です。
延床面積の10倍まで、住宅用地として認められます。

また、1月1日に建て替えの工場中の建物でも、一定の要件を満たせば、住宅用地として認められて軽減措置を受けられることがあります。

建築確認を申請していることなど要件があるほか、申告も必要になります。

住宅用地として認められないケースも多いのでよく確認する必要があります。


1つ目は、築年数

2つ目は、建物の固定資産税です。

3つ目は、住宅用地の土地の固定資産税、都市計画税の軽減措置です。

結論を言うと、住宅であれば12月の新築、住宅以外であれば1月2日以降の新築がよろしいかと思います。

ただし、最初にお話ししたように、新築年月日の操作は出来ません。
建築計画の時点で、お考えください。



今回は、12月の新築年月日と1月の新築で登記すると何が変わるのかという話です。

12月と1月で、どちらが得なのかというとケースバイケースだし難しい問題だと思います。

ただし、考え方だけ理解しておいたほうが良いと思います。

前提として、建物の新築は現実に建物新築工事が完了した日であって、12月得だとか1月が得だからとかの理由で新築の日にちを操作できるものでは有りません。

特に、ほとんどの場合は、建築基準法の完了検査を受けますけど、建物の新築年月日は、検査の日より前になります。
建物の完了検査に合格すると検査済証というのが交付されて、検査の年月日が記載されます。
これは公文書です。

建築工事が完了したから完了検査を受けているので、新築年月日が検査の日以降になることはありません。
まして、検査済証という公文書に検査の日が記載されているので、検査の日以降が、新築年月日になることは整合性がとれないということになります。

その上で、新築年の考え方を3つお話しします。

1つ目は、築年数です。
将来、賃貸するにしても、売却するにしても1年でも新しいほうが良いと言う考えもあります。


2つ目は、建物の固定資産税です。
建物の固定資産税は、その年の1月1日に存在する建物について、1年間課税されます。
なので、仮に1月2日新築であればその年の建物の固定資産税は課税されないということになります。
これだけだと、1月2日以降の新築のほうが有効だと思いますが、そうとは言い切れません。

3つ目は、軽減措置です。
1月1日の時点で、住居用の建物がその土地上にある場合には、固定資産税、都市計画税の軽減措置を受けられます。

軽減措置は、住宅用地200㎡までの部分は、固定資産税が1/6、都市計画税が1/3となります。
住宅用地200㎡を越える部分は、固定資産税が1/3、都市計画税が2/3です。
延床面積の10倍まで、住宅用地として認められます。

また、1月1日に建て替えの工場中の建物でも、一定の要件を満たせば、住宅用地として認められて軽減措置を受けられることがあります。

建築確認を申請していることなど要件があるほか、申告も必要になります。

住宅用地として認められないケースも多いのでよく確認する必要があります。


1つ目は、築年数

2つ目は、建物の固定資産税です。

3つ目は、住宅用地の土地の固定資産税、都市計画税の軽減措置です。

結論を言うと、住宅であれば12月の新築、住宅以外であれば1月2日以降の新築がよろしいかと思います。

ただし、最初にお話ししたように、新築年月日の操作は出来ません。
建築計画の時点で、お考えください。




2019.12.31 Tue l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top
自分の土地に存在しない建物の登記がある!
土地の売却にあたり、調査を進めると登記された建物があり、所有者の名前を見ても全く覚えがない。

所有者名は「○○権左衛門」近隣の人でもない。親族にもそんな人はいない。それに明らかに現代の人の名前じゃない。

売買の契約条件として、その建物の滅失の登記をすることが条件になっている!

でも不動産登記法で、建物滅失登記を申請できるのは、建物の登記名義人または名義人が死亡している場合は、その相続人です。
ちなみに相続人の場合は、相続人の一人からでもOKです。

では、この建物滅失登記はできないのか?というと

建物の滅失登記をする方法は、土地所有者など利害関係人から「建物滅失登記の申出」をすることになります。

この「建物滅失登記の申出」は、通常の申請行為とは違います。
「この建物は存在しないから、滅失登記してください」と法務局の登記官に職権で「建物滅失登記」してくださいとお願いする登記官の職権発動を促す行為です。

通常の登記申請と違います。

不動産登記法の適用を受けません。
審査も通常の登記申請よりも厳しいです。
原則、本来申請義務のある登記名義人に登記申請を促す通知をして相当の期間その回答を待ちます。
通常の申請よりもかなり時間がかかり、時間が読めないということもあります。

法務局の登記官の裁量の部分がおおいので、
審査が厳しいときもあれば、そうでもないときもある。
時間がかかるときもあれば、早く終るときもあります。

経験でいうと、東京都23区内に、このような建物の登記が多くあります。

売却や融資で、まごつかないためにも、早めの対応が必要です。

このような建物の登記が所有地にある場合、
お近くの土地家屋調査士、土地家屋調査士会、法務局にご相談ください。





2019.11.05 Tue l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top
お客様からの問い合わせで建物が古いのですが登記は出来るのか?
という質問があります。

銀行の融資を受ける場合は、担保にする土地の上にある建物はすべて登記する必要があります。
また、相続の登記をする場合、建物を貸して家賃収入を得たいという場合にも登記をする必要があります。
また、借地上に建物がある場合、借地の権利を守るためにも建物の登記をすることが望ましいと言えます。


古い建物でも登記ができるのかですが、
書類で所有権を証明することかできれば登記できるということになります。


もちろん、建物が古くても登記はできますが、まれに所有権証明書が、揃えられないことがありますので注意が必要です。
所有権証明書は何があるかというと

建物の確認済証
建物の検査済証
工事した人の証明書(印鑑証明書付き)
工事代金の領収書、見積書、設計図
工事の契約書
水道、下水、屋根や建物基礎、
固定資産税の納付証明書(納税通知書)
借地の場合、借地の契約書、地代の領収書、土地所有者の証明書
電気、ガス、水道などの公共料金の領収書
火災保険の加入証明書
隣地所有者の証明書
借家人の証明書


このような書類があります。

この内のどれか一つ揃えられれば良いということではありません。
所有権を証明する書類を何点か、揃えて、その書類で申請人の建物の所有権を証明できれば登記ができます。



建物が古い場合には、書類がない。
揃えられないということがあります。

建築関係の書類が何も残っていない。
建築工事は、誰が行ったか不明。
建物の固定資産税の課税がされていない。

このような場合は登記をすることが難しいこともあります。

でも登記ができれば相続登記や借地権の対抗要件を備えることができたり、銀行の融資が受けることが出来ます。


私の事務所もしくはお近くの土地家屋調査士、法務局にご相談ください。
ちなみに私の事務所への相談は、有料となりますのでご注意ください。

2019.10.10 Thu l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top

建物の建築の通常の流れとしては、建物建築がほぼ完成状態になって、私たち土地家屋調査士が建物の表題登記をする。

その後に、所有権保存登記と抵当権設定登記、銀行の融資の実行、工務店さんへ建築代金の支払い、建築主さんへ建物の引き渡しを同時に行うのが通常の流れです。
これを決済すると言ってます。

例外で、表題登記の前に融資を実行する場合もありますが、これは少数です。
通常は、表題登記後に引渡などをすべて同時に行います。

工務店さん、資金繰りの関係もあって早く表題登記をしてほしい。
銀行さんも、翌月にまたがると金利が変更になってややこしい。
月末までに決済したいというのがあるようです。

土地家屋調査士の立場としては、いやいや工事がある程度の段階に達してないと登記できません。
という話になります。

では、表題登記を申請できるのはタイミングはどの段階かというと・・・・・・




2019.02.08 Fri l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top
建物は現地に存在しています。
その土地の地番で建物の登記事項証明書を申請しましたが、その土地上に建物の登記情報がありませんでした。
その場合には、どのようなことが考えらるか?

①分筆や合筆の登記により地番が変更になっている場合が考えられます。
下図1のように、当初「10番3」の土地に建物がありましたが、底地の分筆により下図2のように地番が「10番5」に変更になりました。
この場合には、建物の登記は、変更の登記申請をしない限り、所在地番は「10番3」のままです。
したがって、「10番5」の登記情報を調べても、建物の登記情報はないことになります。
分筆の経緯は、土地の登記情報を見れば分ります。「10番5」の土地の登記情報を見ると表題部の原因及びその日付の欄に「10番3から分筆」と記載されています。この記載で建物の登記が「10番3」になっていると推測できます。

土地の登記情報まで調べるのは、面倒くさいと思う人は、住宅地図やグーグルマップを法務局の職員に見せて、物件を指差してこの建物の登記情報がほしいと言ってみましょう。
後は、法務局の職員が調べてくれます。


分筆



②古い建物の場合は、事故簿に記載されている可能性もあります。
事故簿は、登記情報をコンピュータ化する際に、文字が判読できないなどの理由でコンピュータ化されずに、紙情報で保管されている登記のことです。
詳しくは以前に書いた記事をご参照ください。

参考  事故簿って知ってますか?


③あらゆる事から、登記情報が見つからない場合は、未登記です。
通常、不動産の売買や建築をする場合には、融資を受けますので、抵当権を設定するため必ず建物の登記をします。
しかし、買主または建築主が融資を受けないで現金で建築などをした場合には、登記をしない場合もあります。


以上のことが考えられます。
また、現在は建物の所在地番と家屋番号が一致するようになっています。
しかし昔登記された建物は地番と全く関係しない家屋番号にしていましたので、調査の際に注意が必要です。

2011.08.17 Wed l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top
税務上の都合で、一部を事業用に法人名義にしたいなど、さまざまな理由で「区分建物」として登記したいという相談を受けることがあります。

「区分建物」というのは、分譲マンションのように一棟の建物の一部分に対して一個の登記をするという登記のスタイルです。

例えば、2階建の建物で1階部分と2階部分を別々に登記をするということです。

こうすることで、1階部分のみに対して所有権移転の登記をしたり、2階部分のみについて抵当権の設定登記をすることが可能になります。

さて、ここからは「区分建物」の要件です。
「区分建物」として登記するためには、次の要件をクリアしなければ、登記できません。

①利用上の独立性があること
 それぞれ独立された出入口があり、他の区分建物を通らなくても外部に出ることが可能であること。

②構造上の独立性があること
「構造上」とは、それぞれの建物が壁や床などによって遮断されているかどうかと言うことです。
遮断とは完全遮断を意味します。
判例だと
遮断OK・・・階層、壁、扉、窓、シャッターは完全遮断と言える。
遮断NG・・・ふすまや障子による仕切り、ロッカーやつい立てなど移動可能な仕切りでは遮断とは言えない。

利用上、構造上の双方の要件をクリアしないと区分建物としての登記は出来ません。
2011.02.14 Mon l 表示登記の実務(建物) l コメント (0) トラックバック (0) l top