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公図というのは、登記の地番を配列した図面で、その土地の位置関係や形状を確認することができます。

公図は、土地家屋調査士が不動産の調査をする際には、必ず閲覧するものです。

今回は、公図とは、どのような種類があって、どうすれば調査できるかをお話します。




公図の種類ですが、
市区町村の公図、14条地図、地図に準ずる図面、旧公図があります。
これらの総称として実務上、公図と呼んでいます。

それでは3つに区分して、この公図を説明します。


1つ目は、市区町村の公図です。
市区町村でも、固定資産税の課税の資料として、公図を備え付けています。
請求すれば閲覧が可能です。

法務局の公図と微妙に違うことがあります。
市区町村の公図も境界確認などの資料として確認することもあります。


2つ目は、14条地図と地図に準ずる図面です。
一般的に取得する公図は、この14条地図もしくは、地図に準ずる図面ということになります。
公図を見ると種別の欄に、14条地図または地図に準ずる図面と記載されています。

14条地図は、現地復元能力のある地図です。
高い精度で作成された図面です。
土地改良、土地区画整理、国土調査法による地籍調査をしている地域で備えられていることがあります。

地図に準ずる図面は、14条地図のように精度は高くありません。
明治時代に作成されたものが引き継がれている図面もありますので、
当時の測量精度を考えれば、現地との多少の違いがあると考えて頂いたほうが良いです。

取得の方法は、法務局の窓口で請求する。郵送で法務局に請求する。インターネット登記情報で取得する。
このいずれかの方法になります。
法務局の窓口、郵送で取得した公図には(法務局の印鑑)公印が押されます。
インターネット登記情報で取得した公図には、(法務局の印鑑)公印が押されません。
公図を行政機関などに提出する場合は、提出先によってインターネットで取得した公印がないものは受け付けないということもあります。
公印がなくても大丈夫かは、提出先に確認していただきたいと思います。

インターネット登記情報については、リンクを貼っておきますのでそちらから御覧ください。
https://www1.touki.or.jp/




3つ目は、旧公図です。
14条地図、地図に準ずる図面というのは、現在の公図に至るまでに何度も書き換えがされています。
書き換える前の公図を旧公図といって、法務局で保管されている場合は、閲覧することができます。

公図というのは古くは、明治時代に和紙で作られていました。
和紙で作成された公図は、何度も閲覧されたり、分筆や合筆のたびに修正がされてボロボロになっていきます。
保存に耐えられなくなるとまた和紙で書き換えられるということを繰り返しています。

その後に、公図はより保存に強いポリエステルフィルムに書き換えられました。
そして現在では、公図は電子情報になっています。

このように公図は、何度も書き換えが繰り返されています。

この書き換え前の旧公図は、法務局で閲覧また写しの交付を請求することができます。
また、旧公図の写しの交付は郵送でも請求することができます。

通常は、旧公図まで調査することはしませんが、
公図と現地で土地の形状が違っていたり、境界について疑義がある場合に調査をします。



公図とは違いますが土地の位置関係や形状、境界を確認するために調査する資料があります。


東京23区だと震災復興図を閲覧できることがあります。
大きな災害や戦災があった地域では、震災、戦災復興図が閲覧できることがあります。
東京だと、関東大震災や第二次世界大戦後に復興のために区画整理をしたときの図面です。
境界点間の寸法や面積が記載されていて、境界の判断材料つすることもできます。

そのほか、土地改良の換地図、土地区画整理の換地図、国土調査法による地籍調査の図面が備え付けられていることがあります。

土地の登記記録の表題部の原因日付の欄に、土地改良、土地区画整理、国土調査の記載があるときには、図面が保管されている可能性があります。
市区町村の役所、法務局に図面の保管があるか確認をします。


山林や別荘地の場合に、公図と住宅地図を照らし合わせても、その土地が現地のどこに当たるのか判断できないということがあります。
近隣に建物などの目印になるものがなくて、対象土地がどこだかわからない。
そういう時には、市町村の役場や法務局に縮尺が1/10000のとか縮尺の小さい全体図が設けられていることがあります。

山林地域で、現地の特定が難しいときには、地番の記載した全体図があるか確認する必要があります。

知り合いの同業者から聞いた話ですが、対象の土地を尾根一つ間違えて違う土地を測量していたなんていう嘘のような話も聞いたことがあります。


それでは振り返ります。
公図の種類です。

1つ目は、市区町村の公図です。
市区町村でも、固定資産税の課税の資料として、公図を備え付けています。

2つ目は、14条地図と地図に準ずる図面です。

14条地図は、現地復元能力のある地図です。
高い精度で作成された図面です。

地図に準ずる図面は、14条地図のように精度は高くありません。


3つ目は、旧公図です。
書き換える前の公図を旧公図といって、法務局で保管されている場合は、閲覧することができます。

公図の書き換えの際に、間違えていないか確認するときに調査をします。

今回は、公図について解説しました。
参考にしていただければ、うれしいです。

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2020.04.26 Sun l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
土地の面積の概略を知りたい。
将来の土地の分割の計画を立てたい。
建物を建築するにあたって、測量が必要になった。

そんなときに現況測量をすることで、土地の面積と形状の概略が分かります。

現況測量というのは、ブロック塀、U字溝、既存の境界標など境界と想定できる範囲を測定します。
土地の形状、面積を測量するものです。

今回は、現況測量についての話をします。



【現況測量のデメリット】としては、

境界確定測量と違い、隣地の所有者さんや道路などの公共用地の管理者との境界確認は行いません。

現況測量の測量結果が、後に近隣との境界確認した結果に違いが出る可能性があります。

境界確定測量と違い、現況測量の測量成果をもって、分筆登記、地積更正登記、実測売買とすることはできません。

境界標を新たに設置することもできません。

分筆登記、地積更正登記をするためには、隣地の所有者、道路などの公共用地の管理者と境界の確認をして、
立会証明書や境界確認書、公共用地と境界の確認証明書を法務局に提出する必要があります。

また実測売買では、契約上、買い主に対して立会証明書などを引き渡す必要があります。

【現況測量のメリット】として、

費用的に安く済ませることができます。
境界確定測量に比べて、2分の1程度に費用を抑えることができます。

期間も短くすみます。
境界確定測量が4ヶ月から6ヶ月程度かかるのに対して、現況測量であれば1ヶ月程度で測量図を提出することができます。

後で、境界確定測量を行う場合に、資料と使うことができます。
概略の面積を把握することができます。

測量する立場としては、境界確定測量をお勧めいたしますが、
費用面、期間の面で現況測量のほうが良いということであれば、それでもよろしいかと思います。

以上振り返ります。

現況測量のデメリット
分筆、地積更正の登記、実測の売買では使えません。

現況測量のメリット
確定測量に比べて、費用と安くて、期間も短くてすみます。
概略の面積を把握することができます。


測量が必要になりましたら、土地家屋調査士にご相談ください。
2020.04.22 Wed l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
今回は、土地の地目が変更した場合の地目変更登記についての話です。

今回の動画をご覧いただければ、地目変更登記の内容(申請義務と罰則、申請できる人、地目の種類、添付書面と農地の地目変更、地目の考え方)
がわかりますので、ぜひ最後までお付き合いください。



では、地目変更登記についての5つのポイントです。

1つ目は、申請義務と法的な罰則
地目を変更した場合には、その登記名義人は1ヶ月以内に地目変更登記を申請しなければいけません。
違反した場合は、10万円以下の過料という罰則規定もあります。


2つ目は、地目変更登記を申請ができる人です。
申請できるのは、土地の登記名義人、名義人が死亡している場合は、相続人から申請できます。
共有の場合は共有者の一人から、相続人の場合は相続人の内の一人から申請することが出来ます。

3つ目は、地目の種類
地目は23種類です。
田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝(せいこう)、保安林、公衆用道路、公園、雑種地です。この23種類以外の地目は登記することができません。

最後の雑種地は、田から公園までの22種類のどれにも属さない、それ以外の土地が雑種地という意味です。

雑種地には、駐車場、資材置場、原料置場などが該当します。


4つ目は、添付書面と農地の地目変更です。
代理人から申請をする場合は、委任状を添付します。
また相続人から申請をする場合は、戸籍などの相続証明書が必要です。
この場合の相続証明書は被相続人が死亡したことと相続人のうちの一人であることが証明できれば足ります。
法定相続人全員の戸籍を用意する必要はありません。
登記記録の住所から変更している場合は、住民票など変更の証明書が必要です。

また、田、畑の農地の場合には、農地法の許可または届出がされていることなどが条件となります。
添付書面として、
農地転用許可証または届出受理通知書
届出受理済証明書
農地転用事実確認証明書
非農地証明書
など農地法関係の書類が必要です。


5つ目は、地目の考え方
1筆の土地には、一つの地目しか登記が出来ません。
「宅地・公衆用道路」と言った登記をすることはできません。
このような場合は分筆の登記をします。宅地と公衆用道路に分ける分筆と地目変更の登記をすることになります。

地目は、現況主義です。
農地法や墓地に関する法令の許可を受けていても、現況が他の利用がされていないと地目変更登記はできません。

また、中間地目も登記が出来ないとされています。
例えば、「宅地」で登記されている土地について、建物を取壊して更地になっていて、雑草が伸び放題になっている。
このような状態で「原野」に地目変更ができるかという問題です。
何らの目的に利用されていない状態を「中間地目」といいます。
中間地目の登記は出来ませんので、「原野」としては登記できないということになります。
駐車場や資材置き場など特定の利用目的とされたときに、地目変更登記をすることになります。

基礎がない簡易な仮説小屋がある場合に、宅地に地目変更ができるかですが、この場合は宅地に地目変更は出来ません。
その建物が登記が出来る建物かが「宅地」にできるかの基準になります。
基礎がない簡易な仮設小屋は、定着性、永続性がなく建物として登記はできません。
なので「宅地」にすることはできません。



1つ目は、申請義務と法的な罰則
申請しないと10万円以下の過料です。

2つ目は、地目変更登記を申請ができる人です。
登記の名義人またはその相続人です。
共有の場合は、共有者の1人、相続の場合は相続人の1人から申請できます。

3つ目は、地目の種類
地目の種類は23種類です。
決められた地目以外は登記ができません。

4つ目、添付書面と農地の地目変更です。
委任状
相続している場合は戸籍謄本など
田、畑の農地の場合は、農地法関係の書類

5つ目、地目についての考え方
1筆について地目は、一つだけ定めます。
2つ以上の地目の場合は、分筆が必要です。
地目変更は現況主義です。
仮説小屋があっても宅地には出来ません。
中間地目は登記ができません。



地目が現状と違う場合は、銀行の融資を受けるときに地目変更が条件になることがあります。
土地を売却するときに地目変更登記が必要になることがあります。
田、畑の地目で登記されている場合は、農地法から切り離すためにも地目変更をお勧めします。



地目が現状と違うのに、そのままになっているという場合は、土地家屋調査士にご相談ください。



2020.04.22 Wed l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
よく聞かれる質問として、ブロック塀の上に境界プレートが貼ってあるけど、大丈夫という質問があります。
確かに地面に埋めてある境界標に比べるとなんか頼りないなという印象になると思います。

大丈夫?と不安になる理由は、おおよそこんな感じだと思います。

塀が傾いたら、動いちゃうの?
塀を壊したらなくなっちゃいますよね?
プレートって、剥がれないの?

今回は、塀の上に境界プレートってどうなの?って話をします。



通常は、地面に穴を掘って境界杭をモルタルで根固めして設置します。

ただし、境界のポイントにブロック塀など障害物がある場合には、
物理的に地面を掘って境界標が設置できないということになります。

その場合には、金属プレートの境界標を設置することになります。

それでは、塀の上に金属プレートを貼り付けた場合の3つのポイントをお話します。

1つ目は、塀が傾いたら、動いちゃうの?
塀を建ててから、10年、20年、30年と経過すれば、当初は垂直に建てられていた塀が傾くということがあります。
ましてや、地盤のゆるい地域では、塀が傾斜する可能性が高くなります。

塀の傾き、下げ振りを使えば傾きの程度は確認することはできます。
座標値などの測量データがあれば、元の位置を復元できます。

測量をしていない場合には、測量をしておくと安心です。


2つ目は、塀を壊したらなくなっちゃいますよね?
確かに、塀を壊した場合には境界がなくなるということになります。
また塀を壊さなくても、ブロックの傘に貼ってある場合は、傘自体がとれてしまうことがある。

事前に測量をして元の位置に復元できるようにしておくと安心だと思います。


3つ目は、プレートって、剥がれないの?
実際に剥がれているプレートをよく見かけます。

車が踏むような位置ですと貼り付けプレートは向きません。
貼り付けでも、ドリルで穴を開けてアンカー付きのものを使用する方法もあります。
また、アンカー付きの金属プレートを周りをコンクリートで固めて設置する方法もあります。

金属プレートと接着面の相性が悪いときも剥がれやすくなります。
接着する面が凸凹している場合
ブロックが老朽化していて表面がボロボロしている。
そのような場合も剥がれやすくなります。


ただし、特殊で強力なボンドを使用します。
正しく、設置をすれば簡単には剥がれません。

それでは実際にやってみます。
接着する塀などは、ブラシできれいにして貼り付ける準備をします。
黒いボンドと白いボンドの2種類があって、これを混ぜ合わせることで強い接着力になります。
私は、牛乳パックを利用して混ぜ合わせます。

ゼブラ状ですと強い接着にはなりません。
ボンドは完全なグレー色になるまでよく混ぜ合わせます。

たまに大着をしてプレートの上にボンドを付けて混ぜる人がいます。
これでは、肝心なプレートの接着面では混ざっていないので、強い接着力にはなりません。
必ず、別の牛乳パックやトレーを用意して混ぜ合わせます。

こんな感じで取り付けます。


それではプレートの種類を紹介します。
貼り付けタイプのも
十字、角が矢印、垂直面が矢印のものがあります。
直線上を示すマイナスのもの

形状は、三角形、長方形、正方形のもの

アンカー付きのもの
周りをコンクリートで固めるタイプのもの

などがあります。

これを機会に、ご自身の土地の境界を見て、
塀が傾斜していないか、
プレートが剥がれていないか、
確認してみてはいかがでしょうか?
2020.04.12 Sun l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
隣の土地から、屋根、ブロック塀、エアコンの室外機がはみ出ているということはないでしょうか?

この隣地からの越境物がある。
これが土地を売却するときに、問題になることがあります。

今回は、どのやようなものが越境するのか、越境物の注意事項、対処法について話します
ぜひ最後までご覧ください。



1つ目は、どのようなものが、越境するか

ブロック塀、ネットフェンス、生け垣
建物の雨どい、屋根、建物本体
電線、パラボラアンテナ、エアコンの室外機
水道の給水管、排水管、集水桝
樹木の根、枝、葉などがあります。


2つ目は、越境物の注意点
パット見て解る越境物と測量をしてみないと分からないものがあります。
屋根や雨どい、パラボラアンテナなど空中にあるものは、測量をしてみないと越境しているか判断ができません。
パラボラアンテナなどは、取り付ける工事業者さんは、境界を気にして取り付けるなんてことは、まずないので敷地の狭い区域では、アンテナが越境している可能性がたかいです。

ブロック塀は、下では越境していなくても、ブロック塀が傾斜していて上の方では、越境していることがあります。
また隣地との高低差がある場合は、土の圧力で押されて、塀が歪曲していることもあります。
きちんと構造計算をしている擁壁ですとこのようなことはないと思いますが、
簡易なブロック塀で長年経過するとこのようなことが起こります。

私達は、このような下げふりを使います。
こういったもので傾斜は一目瞭然で分かります。


3つ目は、越境物の対処法
隣地からの越境物があった場合には、越境を解消するか、もしくは「越境に関する覚書」を取り交わすことになります。
「越境に関する覚書」については、ブログのほうに貼り付けておきます。
良かったらご覧ください。

樹木の枝葉が越境している場合には、隣地の人に剪定していただくのが基本となります。
枝葉の剪定ができない場合には、測量している土地側のほうで許可をもらって剪定をするか、「越境に関する覚書」で対応することになります。

隣からの越境物がある場合に気になって仕方がないということがあると思います。
最近では、土地を売却するときには、越境物が問題になることが多くあります。
買主さんが不動産業者の場合は、越境物を細かくチェックする傾向があります。

以上、越境物についてお話をしてきました。

1つ目は、どのようなものが、越境するか
給排水管、塀、建物などがあります。

2つ目は、越境物の注意点
塀は傾斜することで越境している可能性がありす。

3つ目は、越境物の対処法
越境を解消するか、越境物に関する覚書を取り交わす。


越境物があって気になるという方は、土地家屋調査士にご相談ください。

越境に関する覚書
2020.04.11 Sat l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
今回は境界測量がどんなときに必要なのかという話をします。

実際に測量が必要になる場面というのは、
分筆登記が必要な場合、
土地を売却する場合、
土地の管理上測量が必要な場合が考えられます。

こんなときは、測量をお考えいただければと思います。


それでは3つのパターンを説明します。

1つ目は、分筆登記が必要な場合です。
分筆が必要になるのは、
相続で土地を分ける。
建築などで、土地の一部分にのみ抵当権を設定して借り入れをする場合です。
土地の一部分だけを売却したい。
などが考えられます。
分筆の登記をすると法務局に地積測量図が備え付けられます。
測量をした図面に記載された境界、測量基準点、恒久的地物などの座標値の測量成果は、法務局に保管されて公的な資料となり永久に保存されます。
法務局やインターネットで、手数料を支払えば誰でも閲覧できるようになります。



2つ目は、土地を売却する場合です。
土地を売却する場合は、売買の条件として契約書に代金決済までに、
確定測量図、
道路など公共用地の境界を確認した証明書、
隣の民有地との境界を確認した書面の提出が必要になることがあります。

公簿売買といって、測量をしないで売買することもありますが、
買主さんが、不動産業者さんの場合は、まず確定測量の売買条件があると思っていただいたほうが良いです。

その他、隣地からの越境物がある場合は、越境を解消するかもしくは、越境物に関する覚書の提出。
前面道路が私道の場合は、上下水道など掘削の承諾書が必要なことがあります。



3つ目は、土地の管理上、必要な場合です。
将来の相続や売却の準備をしておきたい。
境界線が一部あいまいなところがあって、ハッキリさせておきたい。
境界線にブロック塀をつくりたい。
実際の土地の面積を把握しておきたい。
隣の人と境界線の確認をして、書面を残しておきたい。

また、建築をする場合にも、建ぺい率、容積率、斜線制限を計算するのに測量をします。



現在では、測量するときには、世界測地系の座標値で測量するのが原則です。
世界統一の座標系です。
多くの測量成果がこの座標系で測量を行っていますので、境界がなくなっても復元性が高くて管理しやすくなっております。
ただし、測量する土地の近傍に測量の基準点がなかったり、基準点はあるけど基準点同士の測量誤差が大きい場合には、
世界測地系の座標値ではなく、任意の座標で測量をすることもあります。

また、測量をした後は地積更正の登記を申請することをおすすめします。
地積更正登記をすると分筆の登記と同じ様に、地積測量図が法務局に備えられて公的な資料となります。
登記申請書の添付した書類(境界に関する書類など)は、30年間保存されて利害関係人はその書類を閲覧することもできます。


境界を確認した書面を残しておけば、分筆や地積更正の登記、土地を売却する場合に使えます。
隣地の所有者さんが変更したり、確認してからの年数が相当経過した場合には、再度境界確認が必要なこともあります。
しかし、再度境界の確認をする場合に、前に確認した境界と同じ位置であることを説明すれば、確認はしやすいと思います。

ここで振り返ります。

測量が必要になる場合3パターン

1つ目は、分筆登記が必要な場合です。
相続で土地を分ける。
土地の一部分にのみ抵当権を設定して借り入れをする場合です。
土地の一部分だけを売却したい。

2つ目は、土地を売却する場合です。
土地を売却する場合は、売買の条件として測量が必要になることがあります。


3つ目は、土地の管理上、必要な場合です。
境界線が一部あいまいなところがあって、ハッキリさせておきたい。
境界線の確認をして、書面を残しておきたい。


現在では、測量するときには、世界測地系の座標値で測量するのが原則です。

地積更正の登記を申請することをおすすめします。
地積測量図が法務局に備えられて公的な資料となります。


以上、境界測量が必要な場合を説明をしました。
境界測量が必要になりましたら、土地家屋調査士にご相談ください。

2020.04.04 Sat l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
今回は、土地合筆登記についてお話します。
土地の登記の単位を筆といいます。
1筆、2筆、3筆と数えます。
合筆の登記は、数筆の土地を1筆に、合わせることを言います。



今回の動画を見ていただければ、合筆の登記の内容(合筆後の面積、合筆後の地番、申請できる人、添付書面、合筆できない土地)が分かりますので、最後までお付き合いください。


それでは合筆登記の5つのポイントをお話します

1つ目は、合筆後の面積

合筆の登記については測量は不要です。
合筆の登記については、地積測量図を提出するわけではないので、測量は必要はありません。

合筆後の地籍の計算は、地積測量図などの数値を使って、少数切り捨て前の数値を合算します。
なので単純に登記の面積を足し算すると計算が合わないということになります。


2つ目は、合筆後の地番
合筆後の地番は、一番若い地番になります。
例えば、「5番2」「6番」「7番」の地番を合筆した場合は、合筆後の地番は一番若い「5番2」となります。
しかし、特別な事情がある場合は、他の地番にすることも出来ます、
例えば、所有者の住所地や本籍地が「6番地」だと言うような場合は特別な事情と言えますので合筆後の地番を「6番」にすることも出来ます。



3つ目は、申請できる人
登記の名義人です。
共有の場合は共有者全員からの申請となります。
名義人が死亡している場合はその相続人全員から申請する必要があります。

申請人の住所がと登記と違う場合は、合筆の前提として、名義人の住所の変更の登記をする必要があります。




4つ目添付書面
委任状、実印の押印が必要です。
相続人から申請する場合は相続証明書
(相続人が死亡したことと申請人以外に相続人がいないことを証明する)
印鑑証明書の添付が必要です。
印鑑証明書は作成後3カ月以内で、登記の完了後に還付を受けることはできません。
登記済権利証または登記識別情報が必要です。



5つ目は、合筆できない土地

合筆できない土地についてです。
接続しない土地は、合筆出来ません。
1点のみで接している土地も合筆は出来ません。

地目が違う土地
地目が違う場合は、合筆は出来ません。
これは一筆の土地について2つ以上の地目を定めることが出来ないからです。
登記の地目が違う場合は、合筆をする前に、あらかじめ地目変更をしておく必要があります。
また、登記の地目が同じでも現況の地目が違う場合も合筆をすることは出来ません。

所有者の違う土地
(持分が違う場合も合筆できない)

所有権以外の権利の登記がある場合も合筆できません。
ただし抵当権、質権、先取特権で、登記原因、日付、登記の目的、受付番号すべてが同じ場合は合筆登記ができます。

所在が違う土地は合筆は出来ません。
3丁目と4丁目の土地は隣接していても合筆は出来ません。
大字とか字が違う土地も合筆出来ません。

東京にずっといる人に大字とか字とか言ってもわからない。
東京の住所は○丁目○番○号とういう住所なんです。
東京23区には大字とか字という所在はないんですよね。

私の事務所は、埼玉県川口市大字里字屋敷添という所在なんですけど、
東京の人に、埼玉県川口市だいじさとと言われたことがありました。


ここで振り返ります。

1つ目は、合筆後の面積
合筆の登記については測量は不要です。
合筆後の地籍の計算は、地積測量図などの数値を合算します。

2つ目は、合筆後の地番
合筆後の地番は、一番若い地番になります。
ただし、所有者の住所地や本籍地を考慮して違う地番にできることもあります。


3つ目は、申請できる人
登記の名義人また相続人です。
共有者また相続人全員からの申請となります。
申請人の住所がと登記と違う場合は、合筆の前提として、名義人の住所の変更の登記をする必要があります。

4つ目添付書面
委任状、実印の押印が必要です。
印鑑証明書は作成後3カ月以内で、登記の完了後に還付を受けることはできません。
登記済権利証または登記識別情報が必要です。



5つ目は、合筆できない土地

接続しない土地は、合筆出来ません。

地目が違う土地

所有者の違う土地
(持分が違う場合も合筆できない)

所有権以外の権利の登記がある場合も合筆できません。
ただし抵当権、質権、先取特権で、登記原因、日付、登記の目的、受付番号すべてが同じ場合は合筆登記ができます。

所在が違う土地は合筆は出来ません。
字が違う土地も合筆出来ません。



合筆の登記をすることで、スッキリとして、管理がしやすくなります。
申告等で登記事項証明書が必要なときも、たくさん取らなくて良いということになります。


合筆の登記をお考えであれば、土地家屋調査士までご連絡ください。


2020.03.31 Tue l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
今回は、一筆の土地をいくつかの筆に分ける土地分筆登記についてお話します。

今回の動画を見ていただければ、分筆登記の
内容(登録免許税、添付書面、地番について、申請人、一部地目変更分筆、確定測量、全筆求積)について解説します。
最後までご覧ください。



まずは土地分筆登記についてです。
不動産登記上の土地の単位を筆といいます。
1筆、2筆、3筆というように数えます。
この1筆の土地を数筆に分ける登記を土地分筆登記といいます。

道路になっている部分を宅地と分けたい。
例えば土地を相続して3人で分けることになった。
土地の一部分だけを売却したい。
このような場合に土地分筆登記が必要になります。


それでは土地分筆登記の7つのポイントを説明します。

1つ目は、登録免許税
分筆登記の申請には登録免許税が必要です。
分筆後の土地1筆について1000円です。
1筆→5筆に分筆する場合は5000円となります。


2つ目は、添付書類
委任状
申請人の住所が変更している場合は、住民票などの住所の変更を証明する書面
境界確認に関する書類
立会証明書、境界確認書、道路境界確認証明書などです。
相続人から申請する場合は相続証明書
(被相続人が死亡したことと申請人の他に相続人がいないことを証明する書類)
被相続人の12歳くらいまでさかのぼって戸籍を揃える必要があります。


3つ目は、地番の定め方
分筆をしたときに地番はどうなるのか?
「5番3」という地番のを3筆に分筆した場合は、
一筆は分筆元番で「5番3」になって、他は分割地と言って最終地番を追って地番を付けます。
5番の土地が5番8まで使われていれば、分割地は「5番9」「5番10」となります。
分筆元番「5番3」には、分筆以前の所有権や抵当権などの経緯も記載されます。
その土地の地歴がある程度わかるということもありますが、
差押、競売開始など負の要素も記載されるということになります。
私どもが地番をつけるときには、宅地になる部分には、なるべく負の要素が入らないように考えています。
差押など負の要素がある元番は、宅地にならないようにしたり、
4は(し)、9は(くるしみ)と言ったように、4とか9は一般に嫌われる数字なので、宅地部分にならないようにします。



4つ目は、申請できる人
分筆登記を申請できるのは、登記の名義人です。
共有名義の場合は共有者全員からの申請が必要です。
名義人が死亡している場合は、相続人全員から申請することになります。
共有者または相続人の一人でも、
連絡が取れない、行方不明、協力が得られない人がいると分筆登記ができないので注意が必要です。


5つ目は、一部地目変更、分筆
1筆のうちの一部が別の地目になったためにする登記です。
地目は1筆について一つの地目しか認められないため1筆のうちで別の地目になった場合は分筆が必要になります。
宅地の一部分が道路になったために、一部地目変更分筆をして道路部分と宅地部分に分ける登記が考えられます。
この場合には、法務局に報告する意味合いが強いので、
共有の場合は共有者の一人からでも申請できます。
また相続人の場合も相続人の1人から申請できます。



6つ目は、分筆の前提として確定測量が必要です。
土地分筆登記をするには、その筆のすべての境界が確認できている必要があります。
道路などの公共用地に接していれば、公共用地の管理者との境界立会をして、境界確認した証明も必要になります。
もし、隣の人と境界線の確認ができない場合は、原則分筆登記はできません。
境界を確定するまでの期間は、おおよそ4ヶ月程度はかかります。



7つ目は、分筆する全筆を求積、測量する必要があります。
分筆する場合は、分割する部分が1㎡でわずかな部分であったとしても、
その土地全部を測量して面積計算をする必要があります。
そのために、実際の面積と登記されている面積に違いがある場合は、
分筆をすると自動的に登記の面積は実測の面積に変更されます。
登記されている面積が300㎡で実測が400㎡の場合は、登記面積は分筆後の合計が400㎡になります。
そのため固定資産税は分筆後の面積で課税をされるようになりますので、この例で言うと+100㎡分固定資産税が多くなります。
分筆することで、固定資産税は実測値となりますので、ご承知ください。


それではポイントを整理します。

1つ目は、登録免許税
分筆後の土地1筆について1000円です。
5筆に分筆する場合は5000円となります。


2つ目は、添付書類
委任状
境界確認に関する書類
相続人から申請する場合は相続証明書


3つ目は、地番の定め方
一筆は分筆元番で「5番3」になって、他は分割地と言って最終地番を追って地番を付けます。
5番の土地が5番8まで使われていれば、分割地は「5番9」「5番10」となります。

4つ目は、申請できる人
分筆登記を申請できるのは、登記の名義人です。
共有名義の場合は共有者全員からの申請が必要です。
相続人全員から申請することになります。


5つ目は、一部地目変更、分筆
1筆のうちの一部が別の地目になったためにする登記です。
この場合には、法務局に報告する意味合いが強いので、
共有者、相続人の一人からでも申請できます。


6つ目は、分筆の前提として確定測量が必要です。
境界を確定するまでの期間は、おおよそ4ヶ月程度はかかります。


7つ目は、分筆する全筆を求積、測量する必要があります。
分筆をすると自動的に登記の面積は実測の面積に変更されます。
分筆することで、固定資産税は実測値となりますので、ご承知ください。


以上、土地の分筆の登記について説明をしました。

道路になっている部分を宅地と分けたい。
土地を相続して3人で分けることになった。
土地の一部分だけを売却したい。
このような場合に土地分筆登記が必要になります。


土地分筆登記が必要なときは、土地家屋調査士にご相談ください。
2020.03.30 Mon l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
土地の分筆をする場合は、平成16年の法律改正から、分筆後の土地の全部を測量して面積を計算することになっています。

その前までは、分筆後の一部については残地差し引きで計算をしていました。

実は、今でも極めて例外的ですが登記官がすべての土地の筆界を確認できてなおかつ「特別な事情がある場合」はこの残地差し引きで計算が認められることがあります。

今回は、この残地差し引き計算が認められる「特別な事情」とは、どのような場合かを解説します。
東京法務局管轄内の取り扱いですが、全国的にもこれに近い取り扱いになると思います。
動画を参考にその不動産の管轄地域の法務局の登記官と案件ごとに相談していただければと思います。


まずは、残地差し引き計算についてお話しします。
登記の面積が200㎡で、5番1と5番2に分筆する場合は、5番2を測量して面積を計算して150㎡とすると、5番1については、残地差し引き計算で200㎡-150㎡=50㎡と計算します。
これが、残地差し引き計算です。

では、残地差し引き計算ができる「特別な事情」に該当する場合のパターンを紹介します。

これらのパターンは、面積等が数量あるいは割合が明確に定められたものではありません。
あくまで個別の事例ごとに、管轄する法務局と相談が必要です。
その辺は、ご承知ください。

また、「特別な事情」に該当する場合であっても、理由もなく分筆後の土地の残地一筆を額縁状、カミソリ状のように分筆することを認めたものではありません。

また各パターンに該当すると思っても、あくまで案件ごとに、登記官と相談して調整を行う必要があります。
残地分筆は、まずほとんどのケースが認められないと思っていただいたほうがいいです。
私も、平成16年以降で、残地差し引き計算で分筆したケースは1回しかありません。
結構、ハードルが高いと思います。
残置差し引き計算の分筆は、かなりレアなケースですので、ご理解ください。

では、パターン1
広大な土地の僅かな部分を分筆する場合です。
不動産登記実務取扱準則72条2項を要約します。
「分筆の登記を申請する場合は、広大な土地のわずかな部分を分筆する場合などの特別な事情がある場合は、残地差し引き計算でも良い」

ただし、土地の境界を明らかにして、概測はする必要があります。

広大な土地のわずかな部分としか書いていないので極めて、数値的には曖昧です。

登記官によって判断に多少のばらつきはありそうです。
300㎡のうち1㎡くらいの分筆だと、感覚として厳しいのではないか、残地分筆は認められないのではと思います。
数値的なことは言えませんが、かなりハードルは高いと思ってください。


パターン2
地図、
座標値が記載された地積測量図、
国土調査法の地籍調査による地籍図、土地区画整理、土地改良等が行わえている
場合であって面積の誤差が不動産登記規則の誤差の限度内であるときには,残置差し引き計算ができる可能性がある。

一つずつ説明します。
まず地図です。
法務局には公図という地番を配列した図面があります。
その公図には、2つの種類があります。
地図と地図に準ずる図面です。
公図の分類という欄があって、その欄に「地図」又は「地図に準ずる図面」と書かれています。
単純に「地図」は精度が高くて、区画の形状等が現地と一致している図面
「地図に準ずる図面」は、精度は地図ほどは高くなくて、その土地の形状を記した概略図のような扱いです。
この地図が備えられていて面積の誤差が限度内であれば、残置差し引き計算ができる可能性があります。

次に、座標値の記載のある地積測量図です。
法務局の地積測量図は、平成16年以降に作成された図面は、座標値が記載されるようになっています。
平成16年以前の地積測量図は、三斜法といって三角形をつくって求積している図面が多いです。
座標値の記載は任意ですから古い図面であれば、座標値はほとんど記載されていません。
しかし、地積測量図に座標値の記載があって、面積の誤差が限度内であれば、残置差し引き計算ができる可能性があります。

そして、地籍調査による地籍図等です。
国土調査法、土地改良法、土地区画整理法などで測量している場合で、
面積の誤差が限度内であれば、残置差し引き計算ができる可能性があります。

誤差の限度内というのは、
公図に精度区分が書いてある場合ににはその精度区分
書いてない場合には、精度区分表というのがあって、その精度区分で判断するということになります。
市街地地域であれば 甲2
村落農耕地域であれば 乙1
山林原野地域であれが 乙3
までということになります。

地図、座標が記載されている地積測量図、地籍調査の地籍図等の要件が合えば、
残地差し引き計算ができる場合があるということになります。



パターン3
公共事業の土地買収による分筆です。
道路買収などの公共事業に基づく分筆登記が大量に、提出された場合で、
面積の誤差が限度内であれば、残置差し引き計算ができます。


パターン4
境界確認に長期間が必要なとき

公有地に接する土地に接する公有地又は民有地との筆界について,
隣地の所有者、管理者から確認を得るのに長期間を要するときは,

登記官が境界の確認が得られない境界を含む全ての土地の境界について明白に確認できる場合に限り,
残置差し引き計算の分筆ができる可能性があります。


パターン5
隣接の土地の所有者等が行方不明で筆界確認のための立会いを求めらない場合

登記官が境界の確認が得られない境界を含む全ての土地の境界について明白に確認できる場合で、
後日に行方不明であった隣接の土地の所有者等が現れても,確認した筆界の完全な根拠を説明できるときは
残置差し引き計算の分筆ができる可能性があります。


パターン6
隣接の土地の所有者等が正当な理由なく境界確認のための立会いを拒否している場合です。

登記官が境界の確認が得られない境界を含む全ての土地の境界について明白に確認できる場合で、
後日に所有者が立会に応じたとしても,確認した筆界の完全な根拠を説明できるときは
残置差し引き計算の分筆ができる可能性があります。

このパターン6が唯一私の事務所で平成16年以降に、残置差し引きの分筆をしたパターンです。
区画整理を施工していて、区画整理の確定図の通りに境界標が設置してありました。
言わば、すべての境界が明白な状況でした。
当時いた私の補助者が、隣の人を怒らせてしまって、境界立会を拒否されてしまったという事例です。

私の判断で、法務局から立会通知を出してもらおうということで、全筆求積して分筆を申請しました。
私の方で境界立会していませんから、法務局から境界立会を求める通知が所有者さんに発送されます。
そして隣接の所有者さんが、法務局に怒鳴り込んでいくということが起こりました。

そして、法務局の登記官と相談して、残置差し引き計算で分筆しましょうという話になって、分筆登記をした。
これが、ゆいいつ私の事務所で残置差し引き計算で分筆した事例です。

以上振り返ります。

パターン1
広大な土地の僅かな部分を分筆する場合です。

パターン2
地図、座標値が記載さえた地積測量図、地籍調査による地籍図などがある場合であって面積の誤差が限度内であるとき。

パターン3
公共事業の土地買収による分筆です。

パターン4
境界確認に長期間が必要なとき

パターン5
隣接の土地の所有者等が行方不明で筆界確認のための立会いを求めらない場合

パターン6
隣接の土地の所有者等が正当な理由なく境界確認のための立会いを拒否している場合です。

いずれも、すべての境界が明白なときが条件になります。



以上、東京法務局管轄の残地差し引き計算で分筆できる場合の取り扱いを説明しました。

東京法務局管轄内の取り扱いですが、全国的にもこれに近い取り扱いになると思います。

結構、ハードルが高くて残置差し引き計算が認められないケースが多いと思いますけど、
動画を参考にその不動産の管轄地域の法務局と案件ごとに相談していただければと思います。


2020.03.28 Sat l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top
今回は、市街化区域内の農地の地目変更についての話です。

前に、農地の地目変更について、話したんですけど、市街化区域の場合と市街化区域以外の話を一緒にしたので、話がごちゃごちゃして分かりずらかったと思います。

今回は、市街化区域に限定してスッキリと話していきます。


まずは、市街化区域についての説明をします。

日本国土に、都市計画区域が定められて、その都市計画区域内に、市街化区域、市街化調整区域が定められてます。
市街化区域は、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。
市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域です。

どちらにも定められていない地域については非線引き区域と言われています。

この市街化区域内の農地については、農地を農地以外の地目に転用する場合は、許可ではなく届出で足りるとされています。

ではそもそも、農地法の許可とは何かというと
農地法の許可というのは、3条、4条、5条の三種類の許可があります。

まず3条は、農地を農地のまま所有権の移転、賃借権などの設定です。
これは農地を農地以外に転用するわけではないので、市街化区域でも農地法3条の許可が必要です。
農地法3条については届け出という制度は有りません。

次に4条です。
これは、農地を農地以外の用途に転用する許可です。
この場合は、市街化区域の場合は許可ではなく届け出で足りるとされています。

そして5条です。
これは、農地を農地以外の用途に転用して、
なおかつ所有権の移転、賃借権などの設定をする場合の許可です。
この場合も、市街化区域の場合は許可ではなく届け出で足りるとされています。

農地法の許可については、厳しい許可の条件に合わなければ許可を受けることも出来ません。
また、許可申請の添付書面も多くて厳格に審査されます。
審査の期間も2カ月から3カ月程度は、かかります。

それに対して、市街化区域の許可ではなく届出は、添付書面も少なくて審査も1週間から2週間と短くてすみます。

いくつかの注意事項だけ押さえておけば、届出は問題なく受理されます。

では、市街化区域内で、田や畑の農地の地目変更の依頼があった場合の注意事項です。

まずは、過去に農地法の許可、届け出がされているか確認をしておきます。
市区町村の農業委員会で確認をすることが出来ます。
土地の登記情報でも、ある程度はわかります。
登記情報の「甲区」を見て、相続以外の原因で所有権移転登記がされていれば、
その時期に農地法の手続きがされていることになります。

市区町村によっては、届出受理済み証明書を交付してもらえることもあります。
市街化区域内で4条、5条の届け出がすでにされていると農業委員会が証明してくれる書類です。

農地の賃借人(小作人)がいるかどうかです。
農地の賃貸借契約がされている場合は、賃貸借契約を解除の手続きをする必要があります。
農業委員会に問い合わせをすれば、農地の賃借人(小作人)がいるかわかりますので、最初の調査の段階で確認をしておく必要があります。


生産緑地の指定は受けているか
生産緑地の指定を受けている土地で地目変更を依頼されることは、ないと思います。
また現地には生産緑地の看板が建ててありますので、生産緑地であることはわかります。
市街化区域の農地で500㎡以上の農地である場合は、生産緑地の指定を受けている可能性があるとういことは、頭に入れておいたほうが良いと思います。
生産緑地の指定を受けている場合は解除が必要です。
生産緑地の場合は、本人が死亡しているか、農業ができない状態、30年の期間が満了していない限り原則解除はできません。

また、農業委員会の証明書を添付して地目変更を申請する方法もありますので紹介します。

農地転用事実確認証明書
4条、5条の許可がされた目的とおりに、転用がされていることを農業委員会が証明する書類

届出受理済み証明書
市街化区域内で4条、5条の届け出がすでにされていると農業委員会が証明してくれる書類

非農地証明書
登記の地目は田畑の農地ですが、農地ではありませんと農業委員会が証明する書類

市区町村によって、証明できる場合できない場合があるので、管轄の行政に確認が必要です。


ここで、問題になるのは、登記の地目が「畑」で現地が駐車場など違う目的で使用されている。
その土地を地主AさんがB宅地分譲業者に売却する場合にどう手続きをするかです。

2つのパターンでどう違うのかを説明します。

パターン1です。
地主Aさんが駐車場にする目的で農地法4条の届出をします。
その後に登記の地目を畑→雑種地に変更します。
ここで農地法からは離れます。
そして地主Aさん→B宅地分譲業者に所有権を移転する。
そして、宅地造成工事が進んだ状況で雑種地→宅地に地目変更をします。
これが1パターンです。

次に、パターン2です。
地主A→B宅地分譲業者に移転と宅地分譲を目的に所有権移転を目的に農地法5条の届け出をします。
そして地主Aさん→B宅地分譲業者に所有権を移転する。
そして、宅地造成工事が進んだ状況で畑→宅地に地目変更をします。
これが2パターンです。

このパターン1も2も、
最終的に、所有権が地主Aさん→B宅地分譲業者に移転する。
地目が宅地に変更されるという結果は同じです。

地域によって違いがあるかもしれませんが、
土地の面積が500㎡または1000㎡を超える開発行為の場合は、
4条の場合は都市計画法の開発許可が不要なのに対して、
5条届け出をする場合には、開発の許可証の添付を求められます。

この開発許可証の添付が、手続きではネックになります。
なので、面積が開発許可の要件を超える場合は、
先に4条の届出をして地目変更をしておくことで、開発の許可証の添付を逃れることができます。

今回のケースで言うとパターン1だと開発許可証の添付が不要なのに対して、
パターン2だと農地法5条の届け出をする際に開発許可証の添付が必要になります。

パターン1でネックになるのは、現実に利用状況が変わっていないと地目変更は出来ないということです。
地目変更登記をするには、現地の写真の提出が必要です。
また地目変更登記を申請すると法務局が現地を確認します。
なので現実に地目が変わっていないと、地目変更はできません。

結局パターン1の場合は、地目変更登記をしなければ、4条届け出なので
B宅地分譲業者に所有権移転はできません。

ここで振り返ります。

農地法の許可というのは、3条、4条、5条の三種類の許可があります。
3条は、農地を農地のまま所有権移転等をする。
4条は、農地を農地以外に転用する
5条は、農地の転用と所有権移転等をする3条、4条のミックスです。

農地の地目変更の依頼を受けた場合の調査事項は
過去に農地法の手続きをしているかどうか
農地の賃貸借契約があるか
500㎡以上の場合は生産緑地の指定を受けているか

都市計画法の開発許可ですが、
4条の場合は開発許可証が添付不要の場合もありますが、5条の場合は開発許可証の添付が必要になることがあります。
詳しくは地域の農業委員会に確認が必要です。

以上、市街化区域の農地の地目変更についてお話をしてきました。

参考にしていただければ幸いです。

2020.03.15 Sun l 表示登記の実務(土地) l コメント (0) トラックバック (0) l top